セピアメモリー
~夢見る草子~

平安初期組の話もこれで終わりですねー。
ちょっと切ないですが、中期の歌人も好きなので楽しみですヽ(´▽`)/
「東下り 小野小町(おのの こまち)」
後宮で満ち足りた暮らしを送っていた小町だが、年が経ち、後宮を離れた今は一人静かに暮らす身。
身寄りも若さもない、そんな拠り所のない不安な気持ちを抱えているところに、在原業平と文屋康秀が夜這い同然にやってくる。
気を取り直して昔のように月見酒を楽しむ3人。
月を見ながら自分たちのこれまでの人生について思いを巡らせるのだが、業平が思わぬ提案を持ち出すのだった。
(公式サイトあらすじ)
冒頭、定家ではなく東下り3人組が登場。
小町がはしゃいでるシーンから始まりましたねー。
この回はしんみりしたストーリーだから、定家ハジけなかったのかな??笑
天皇が崩御なされて、小町は後宮を去り静かに余生を送っています。
宗貞の回のときは想像できないほどの落ちぶれようですね。
そこへ、旧友の康秀からの「東国に行きませんか」という文が届きます。
確かこのやりとりは小町の返歌しか残っていないので、康秀がどういう感じに文を送ったのかは不明らしいです。
その小町の返歌がこちら。
「わびぬれば 身をうき草の根を絶えて さそふ水あらば 去なむとぞ思ふ」
(落ちぶれて行くあてもない私だからお誘いがあれば誰にでもついていきますよ)
うた変で康秀が言ってたけど「男なら誰でもいい」という内容の文です。
これを見た業平と康秀は小町を見舞うことに決めます。
現代でも、普通だった人が心労が溜まることにより、ツイッターとかで不安定な発言をしたりポエムを呟いたり、精神状態がおかしくなっちゃう人いますよねー。
昔も今も人の心のつくりは変わらないんだなーとしみじみ、笑。
若い時期は過ぎ去り、年を重ねた小町は今までの人生を一人見つめなおします。
本当にこれで良かったんだろうか。
自分の選択は正しかったのだろうか。
誰かに正解をもらえる内容の悩みではないので、余計苦しいのでしょうね。
なんだか今でいう鬱状態に近いものを感じます。
夜になると色んな考えが頭の中を巡って不安にかられてしまう現象は何なのでしょねぇ。
そして苦痛が頂点に達した時…!!
業平が眼前に迫っていました、笑。
この時の業平が詠んでいた歌は、
「いにしへの しづのをだまき くりかへし むかしを今に なすよしもがな」
(時間を巻き戻して昔のように仲良くできたら良いのになぁ)
業平なりの慰め方だったのか…単にふざけただけだったのか真意はわからず、笑。
でもたぶん前者だよね←
ここで、業平の「もとどりを喰われた~」で時系列を感じ取ることができますね、笑。
高子が懐かしいなぁ(´▽`)
そして、昔のように3人で月見。
ここのシーンの業平かっこいいですね。
台詞にぐっときます。
後半パートは康秀がしゃべってたけど、笑。
小町が詠んだ歌は、百人一首で一番一般認知度が高いんじゃないかな。
「花の色は うつりにけりな いたづらに わが見世にふる ながめせし間に」
(私の美しさも、まるでこの長雨の桜のように、思い悩んでいるうちに色あせてしまった。)
美女の嘆きは深いのです。
平安時代は「花」といえば説明せずとも「桜」と思われていたそうなので、この歌は桜を眺めながら詠んだのかなーと脳内想像。
小町は経歴がおぼろげなのも相まって伝説的に語られていることが多いですよね。
業平は宮家のつながりで経歴を追いやすいというのに。
百夜通いの物語の影響で美人を鼻にかけた冷たくて傲慢な人柄だと伝えられているけれど…。
裁縫道具の小町針の由来からして理知的な女性だったんじゃないかと想像。
(小町針は穴のない針。男になびかないから名づけられたとか。)
代表作に「夢」に関するものが多いので、ロマンチストで少女らしさのある女の人ではなかったんだろうか…とどこかで読みました。
さてさて、次回は、うた変の回は飛ばして中期組の感想に移りたいと思います。

[1588] [1587] [1586] [1585] [1584] [1583] [1582] [1581] [1580] [1579] [1578]

03 | 2025/04 | 05 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
27 | 28 | 29 | 30 |












